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事業概況と成長戦略 帝人 | 株主・投資家情報 | 統合報告書

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Academic year: 2018

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(1)

マテリアル事業領域 (億円)

売上高 営業利益 売上高 営業利益

ヘルスケア事業領域 (億円)

BUS NESS

REV EW

32 マテリアル事業領域

37 ヘルスケア事業領域

40 IT事業

41 R&D

事業概況と成長戦略

帝人グループの基礎収益力を支える各事業のプレゼンスや

2016年度の実績とともに、新中期経営計画に基づいた

さらなる成長への戦略についてご説明します。

5,398 6,400

312 350

’17

(見通し)

’16 ’17

(見通し)(年度)

’16

1,507 1,550 248

300

’17

(見通し)

’16 ’17

(見通し)

’16 (年度)

※見通しは2017年8月1日公表値

(2)

マテリアル事業

アラミド繊維

■ プレゼンスと事業機会

アラミド繊維は、高強力かつ、耐熱性、寸法安定性、耐薬品 性などに優れ、パラ系とメタ系の2種類に大別されます。

パラ系アラミド繊維は、特に強度、耐熱性などに優れ、タイ ヤの補強材、自動車のブレーキパッドなどの摩擦材や光ファイ バーケーブルの補強材、防弾・防護材料などに使われており、 今後も年率3%の市場成長が見込まれています。

メタ系アラミド繊維は、長期耐熱性や難燃性に優れ、耐熱 フィルター、消防服などの特殊環境ユニフォーム、その他耐熱 性が要求されるさまざまな産業資材に使われています。

■ 16年度の実績

自動車関連用途など総じて堅調に推移

パラ系アラミド繊維では、「トワロン」が欧州自動車関連用途 の販売を順調に拡大しましたが、油田採掘関連用途および防 弾用途は低調に推移しました。用途拡大が進む「テクノーラ」 は、国内自動車関連用途と海外インフラ関連用途向け販売が 堅調に推移しました。

メタ系アラミド繊維では、「コーネックス」の自動車関連、防 護衣料および産業資材用途での販売が堅調に推移しました。

■ 生産拠点

パラ系アラミド繊維……オランダ/日本 メタ系アラミド繊維……日本/タイ

樹脂

■ プレゼンスと事業機会

ポリカーボネート樹脂は、ガラスの200倍以上の耐衝撃性 を持ちながら、重さは2分の1と軽く、耐熱性・透明性・耐候性 に優れており、エレクトロニクス分野や自動車分野などに幅広 く用途・市場を拡大しています。

年率3〜4%程度で市場は成長しており、帝人は、その他の 樹脂との複合化(コンパウンド)、特殊ポリマーの開発といった 素材技術に加え、大型加工成形技術やコーティング技術に強 みを持ち、事務機器や電気・電子部品といったエレクトロニク ス分野を中心にアジアで高いプレゼンスを誇ります。

■ 16年度の実績

ポリカーボネート樹脂は堅調に推移

主力のポリカーボネート樹脂「パンライト」「マルチロン」の需 給は堅調で、中国・日本両生産拠点が高稼働を維持しました。 高機能用途のさらなる拡大に向け、自動車市場への積極展開 に加え、住宅設備などの成長分野向けや高機能繊維との複合 材料販売を推進しています。機能樹脂分野では、カメラレンズ 用特殊ポリカーボネート樹脂において、今後市場拡大が見込 まれる車載・防犯カメラ向け製品ラインナップの拡充を進めて います。

■ 生産拠点

ポリカーボネート樹脂……日本/中国

炭素繊維

■ プレゼンスと事業機会

炭素繊維は、鉄に比べ10倍の強さを持ちながら、4分の1 の軽さを実現する素材です。省エネルギー、CO2排出量削減 などの環境対応に貢献する素材として注目されていることか ら、航空宇宙用途や産業資材用途を中心に需要が急速に拡大 しています。帝人は、炭素繊維「テナックス」で航空機用途を中

心としたグローバル市場での高いシェアを有しています。 近年は環境規制の強化を背景に、自動車向け部材への将来 に向けた適用拡大も期待されており、自動車メーカーとの間 でさまざまな技術開発が進んでいます。

■ 16年度の実績

航空機用途向けなどの販売が順調に推移

炭素繊維「テナックス」は、航空機用途向けの販売が順調に 推移したほか、欧米の風力発電向けが堅調でしたが、一般産 業用途やアジア地域におけるスポーツ・レジャー用途向けの需 給バランスは軟化しました。

耐炎繊維「パイロメックス」は、航空機のブレーキ材向けなど の販売が好調でした。

■ 生産拠点

炭素繊維……日本/ドイツ

* 複合成形材料については、「特集: 未来を変える新ビジネスとそ れを支える経営基盤」をご参照ください。(P22〜)

フィルム

■ プレゼンスと事業機会

ポリエステルフィルムは、強度特性、耐熱性、光学特性など バランスのとれた物性と、高いコストパフォーマンスにより幅 広い用途分野で用いられています。帝人が独自で開発したポ リエチレンナフタレート(PEN)フィルムは、性能面で優れた高 機能フィルムで、高密度データストレージ用テープやエレクト ロニクス材料のほか、自動車分野や環境・エネルギー分野など に使用されています。

ポリカーボネートフィルム・シートも高度な光軸制御技術な どの優れた機能を活かせる分野に製品展開を行っています。

■ 16年度の実績

ポリエステルフィルムの国内生産拠点集約および

日本・インドネシア合弁会社の完全子会社化

スマートフォンなどの関連部品向けを中心に工程用離型フィ ルム「ピューレックス」や、特殊包装用途の輸出品、磁気用PEN フィルムが堅調に推移しました。また、特殊ポリカーボネート樹 脂を使用した「ピュアエース」は、有機ELディスプレー(OLED) の反射防止用逆波長分散フィルムなどの販売が増加しました。

2016年9月末に岐阜工場の生産を停止し、国内およびイン ドネシアの合弁会社を完全子会社化するなど、構造改革の推

進による競争力の強化を進めています。

■ 生産拠点

ポリエステルフィルム…… 日本/インドネシア パラ系アラミド繊維

「トワロン」「テクノーラ」

世界シェア

50 %

(第1位)

メタ系アラミド繊維

「コーネックス」

国内消防服用途

トップシェア

ポリカーボネート樹脂

アジア

トップシェア

帝人独自技術

で高付加価値を

提供

世界シェア

炭素繊維

2

軽量化の実現で

CO 省エネ、

2

削減 に貢献

オンリーワン商品である

PENフィルム

を自動車向け

に展開

多層製膜技術、表面処理、 2次加工技術など

加工技術に

強み

MATER AL

(3)

中長期戦略

環境価値ソリューション

航空機・自動車ビジネスへの注力

航空機分野においては、世界の航空機需要は増加してお り、小型機を中心とした高い生産機数は今後も維持・拡大の 傾向にあります。自動車分野においては、環境規制強化や、 電気自動車需要の拡大、技術革新による設計思想の変革な ど、環境が変化しています。

このような状況を受けて、帝人では、軽量化による低燃 費化を実現すべく、「軽くて強い」高機能素材の拡大を図り ます。これにより収益力の維持・強化に努めます。

▶航空機分野

炭素繊維では、中間基材事業へ重点的に資源を投入して いきます。熱可塑プリプレグ、織物基材ビジネスの展開加 速により競争優位を構築することで、着実に販売を拡大して いきます。耐炎繊維「パイロメックス」も、航空機用ブレーキ 材向けの好調を受け、製造ラインの増強を進めています。

パラ系アラミド繊維では、より安全で効率的な航空貨物 輸送の実現を見据え、「トワロン」を使用した耐久性・難燃性 の高い航空貨物コンテナの開発を進めています。

▶自動車分野

パラ系アラミド繊維では、「トワロン」について、タイヤ補 強材・ゴム資材など、軽量化・高性能化の要求に応える製品 の拡大に注力していきます。「テクノーラ」についても、ゴム 資材補強向けの需要の拡大に対応していきます。

樹脂では、ポリカーボネート樹脂のほか、スーパーエンプ ラPPS(ポリフェニレンサルファイド)などを活用し、高機能コン パウンドによる軽量化・意匠性向上の提案を行っていきます。

安心・安全・防災ソリューション

社会基盤インフラの

ニーズ拡大へ対応

日本国内では、度重なる災害を経て、社会インフラの老 朽化対策やさらなる地震対策へのニーズが高まっていま す。また、アジアや新興国においても、厳しい安全基準の 導入に伴い、インフラ基盤の整備向けや防護衣料向けの高 機能繊維の需要が拡大しています。

帝人では、こうした防災意識の高まりやインフラ更新・拡 大ニーズへの的確な対応を図り、最適なソリューションを提 供していきます。

▶インフラ関連

パラ系アラミド繊維では、光ファイバーケーブルの中国・ インドでの拡販に注力します。過酷な環境下での耐酸性、 耐湿熱性に優れた「テクノーラ」については、ロープや深海 油田採掘用途などにおいて幅広い需要が見込まれます。

炭素繊維では、インフラ・エネルギー分野向けのニーズ 拡大に対応していきます。具体的にはシェールガス運搬用 の圧力容器や風力発電ブレードの部材の拡大を図ります。

▶防護衣料

2015年度にタイ新工場において生産・販売を開始したメ タ系アラミド繊維「コーネックス・ネオ」は、熱防護性に加え、 安定した染色性が特徴で、ニーズに応じたテキスタイル展 開が可能です。難燃規制・環境規制強化を背景に高い成長 が見込まれるアジア・新興国での防護衣料の需要を拡大し ていきます。

安心・安全・防災ソリューション

成長基盤の整備

各事業において、着実な戦略の実行を支えるべく、成長 基盤の整備にも取り組んでいきます。

▶アラミド繊維

既存プラントのプロセスの自動化などによる生産効率アッ プや生産能力アップを図り、コスト競争力を高めていきます。

▶炭素繊維

北米を中心とした需要増への対応として、北米プラント への投資を検討しており、米国内での新工場建設に向けた 用地取得を完了しています。

▶樹脂

他社の参入が容易でなく利益率の高い領域へ特化し、さ らなる販売構成改善へ向けた取り組みを進めていきます。

▶フィルム

国内生産拠点集約効果の着実な発現により、コスト競争 力を強化します。

小山 俊也 

マテリアル事業 グループ長

「 競争力ある高機能素材を用いた

ソリューション型ビジネス展開を

加速していきます」

©AIRBUS

MATER AL

(4)

中長期戦略

繊維・製品事業 ヘルスケア事業

「 常に開拓者精神を持って、

市場の最前線でニーズを発掘し、

素材・製品の開発、提供を目指します」

■ プレゼンスと事業機会

帝人フロンティア(株)は繊維専門商社としては国内トップク ラスの規模を誇り、繊維素材から縫製品に至る衣料分野に加 え、自動車関連部材やテント資材、生活関連製品といった産業 資材分野までの幅広い製品群を展開しています。

素材の開発・生産から販売に至るまで一貫した生産・販売体 制をグローバルに展開していることが強みであり、2017年4 月のポリエステル繊維事業との統合により、ポリエステル繊維 の生産・販売、研究開発機能を事業内に取り込むことで、生販 一貫体制をさらに強化していきます。

■ 16年度の実績

スポーツ・アウトドア向けやタイヤ補強材などの

自動車部材の販売が伸長

衣料繊維分野では、スポーツ・アウトドア向けの高機能素材 が欧米および国内で販売を伸ばした一方、厳しい環境が続く 衣料製品で、適地生産などの体質強化や独自素材を中心とし た差別化ビジネスを推進しました。

産業資材分野では、タイヤ補強材などの自動車部材や、土 木資材が好調でした。また、農業、水産、環境関連資材や水 処理用膜向けが堅調に推移しました。

■ 生産拠点

ポリエステル繊維……日本/タイ テキスタイル……日本/中国/タイ 縫製……日本/ベトナム

繊維専門商社

国内

トップクラス

メーカー機能と商社機能の 融合で革新的な

ソリューション

を提供

医薬品

■ プレゼンスと事業機会

薬価改定や後発品の伸長により、新薬開発型事業にとって は厳しい事業環境が継続しています。しかしその中でも帝人 グループが世界で約40年ぶりの新薬として自社開発した高尿 酸血症・痛風治療剤は国内トップシェアを確立しており、今後 も事業の成長の牽引役としてさらなる販売拡大が見込まれま す。また、海外での販売提携国・地域は117に上っており、 2017年6月末時点ですでに70ヵ国以上で販売を開始、今後 も残りの国・地域における販売拡大を目指します。

※ Copyright©2017 QuintilesIMS.

2016年4月〜2017年3月、IMS JPMを基に作成。無断転載禁止

■ 16年度の実績

高尿酸血症・痛風治療剤の販売が順調に拡大

国内医薬品市場において厳しい事業環境が継続する中、高 尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク」や、先端巨大症治療剤「ソ マチュリン」の販売が順調に拡大しました。既存薬の剤形追加 品の販売が堅調に推移したほか、経皮吸収型鎮痛消炎剤「ロ コア」についても販売の拡大を図っています。

2016年8月には、米国のバイオベンチャーであるヴェル サーティス社と、同社が創製した新規長期作用型成長ホルモ ン剤「VRS-317」の日本における独占開発・販売契約を締結し ました。今後、同社との協力のもと、本剤の開発を推進してい きます。

■ 事業拠点 日本国内70営業所

在宅医療

■ プレゼンスと事業機会

帝人グループは在宅酸素療法(HOT)を国内で最初に事業 化したパイオニアであり、国内で築き上げた24時間365日患 者さんをサポートできるサービス体制と、業界最大の顧客基 盤を強みとしています。国内外合わせて30万人以上の患者 さんに在宅医療サービスを提供しており、在宅酸素療法では 国内トップシェアを維持、近年市場が急拡大している睡眠時 無呼吸症候群(SAS)治療器でも、国内No.1のシェアを誇り ます。

■ 16年度の実績

高水準のレンタル台数を維持・拡大

在宅酸素療法(HOT)用酸素濃縮式供給装置は、高水準の レンタル台数を維持しました。睡眠時無呼吸症候群(SAS)治 療器は、携帯電話網により治療状況をモニタリングする「ネム リンク」の訴求効果や、携帯用睡眠時無呼吸検査装置「SAS- 2100」の活用により、レンタル台数を順調に伸ばしました。 2015年より販売を開始した「地域包括ケア」の運用を支える 多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」についても、 販売を着実に拡大しています。

一方で、2017年4月に、厳しい環境にあった米国在宅医療 事業から撤退し、米国の投資会社に譲渡しました。

■ 事業拠点

販売提携国・地域 海外

117

事業統合によるさらなるソリューション提供力の強化

顧客志向の徹底した追求、すなわち「ソリューション提供 型ビジネスモデル」をさらに進化させるべく、ポリエステル 繊維事業と製品事業を統合しました。これまで以上に連携を 強化し、繊維製造と販売を一貫で手掛ける事業体としての 対応力をさらに進化させていきます。

製造から小売りまでのグローバルサプライチェーンを強 みとして、より高度な差別化商品を開発し、お客様のニーズ に合った商品や市場にない商品を創出・提供していきます。

引き続きグローバルでの地産地消を突き詰め、M&Aやア

ライアンスを積極的に活用しながら生産機能の強化を図っ ていきます。特に自動車関連部材においては、日本・中国・ア セアン・北米での四極体制によるサプライチェーンの強化を 図るとともに、さらなる生産拠点の拡大を進めています。

環境関連分野では、①リサイクル ②バイオ由来 ③省エネ

④オーガニック ⑤有害化学物質使用低減 ⑥環境負荷物質 排出削減の6テーマからなる活動指針「THINK ECO」を掲 げ、環境配慮型ビジネスの構築・拡大に取り組み、CSR調達 活動にも力を入れています。

MATER AL

日光 信二 

繊維・製品事業 グループ長

HEALTHCARE

高尿酸血症・

痛風治療剤

国内 トップシェア

利用者数

30万人以上

酸素濃縮式供給装置、 睡眠時無呼吸症候群治療器

国内 トップシェア

(5)

中長期戦略

鍋島 昭久 

ヘルスケア事業 グループ長

少子高齢化・健康志向ソリューション

成長領域の強化

高齢化社会の進展に伴い、高度医療へのニーズが高まって いる中、新薬創出の重要性も増しています。また、在宅医療が 対象とする患者さんの数は引き続き増加し、医療と介護の連 携による「地域包括ケア」の重要性がますます高まっています。

このような状況のもと、帝人グループでは、既存成長ド ライバーの収益最大化を図るとともに、新規創薬研究への 注力とIoTなどの活用による在宅医療の強化を図り、疾病 の予防や増悪の予兆把握にも役立つ総合的かつ効率的な 地域医療の支援を積極的に実施していきます。

▶医薬品分野

国内外で順調に販売を拡大している高尿酸血症・痛風治 療剤「フェブリク」のさらなる収益最大化を目指し、疾患啓発 や治療意義の認知度向上などに取り組んでいきます。骨粗 鬆症治療剤「ボナロン」の経口ゼリー剤や点滴静注剤、小型 の錠剤である徐放性気道潤滑去痰剤「ムコソルバンL錠 45mg」などの剤形追加により、患者さんへ幅広い治療選 択肢を提供していきます。経皮吸収型鎮痛消炎剤「ロコア」 についても、販売の拡大を図っています。

新規創薬研究においては、素材技術とヘルスケア技術の 融合による先端医療材料の開発をはじめ、核内受容体領 域、特殊環状ペプチド領域における創薬技術の深化や、神 経疾患治療薬に関する再生医療にも取り組みます。2016 年12月に世界的医薬品メーカーの米国アムジェン社と、新 規腎疾患治療薬に関する共同研究・ライセンス契約を締結 したほか、米国メルク社と新規アルツハイマー病治療薬の 候補化合物の全世界における独占的開発・製造・販売権を供 与するライセンス契約を締結するなど、グローバル規模で のアライアンスを推進し、価値の最大化を図ります。

▶在宅医療分野

睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療器は、治療状況をモニタ リングする「ネムリンク」機能や、加湿機能を内蔵した「ス リープメイト10」の展開、コールセンターを活用した、患者 さんのサポート体制強化を進めます。

酸素濃縮式供給装置は、一般開業医の開拓や増悪の予 兆把握といったモニタリング機能の強化のほか、据置型酸 素濃縮器に加え、携帯型酸素濃縮器のラインナップ拡充な どによりレンタル台数のさらなる増大を目指します。

「地域包括ケア」を支援するツールとして、医療関係者間 で利用される多職種連携情報共有システム「バイタルリン ク」については、かかりつけ医との契約に加え、医師会を窓 口とした一般開業医との契約の締結も進み、販売を着実に 拡大しています。

「 医薬品と在宅医療の

両事業のシナジーを発揮し、

安心と笑顔のある暮らしを提供します」

HEALTHCARE

領域 開発コード 対象疾患 臨床開発段階

Phase 1 Phase 2 Phase 3 申請

骨・関節 ITM-058 骨粗鬆症

KTP-001 腰椎椎間板ヘルニア

呼吸器 PTR-36 気管支喘息

代謝・循環器

TMX-67(中国) 高尿酸血症・痛風 ITM-014N 膵・消化管神経内分泌腫瘍 STM-279 ADA欠損症

VRS-317 小児・成長ホルモン分泌不全性 低身長症

TMG-123 2型糖尿病 TMX-049 高尿酸血症・痛風

TMX-049DN 2型糖尿病における糖尿病性腎症 その他 GGS-ON、 -MPA、

-CIDP 視神経炎、顕微鏡的多発血管炎、 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎

■ パイプライン

(2017年6月現在)

(6)

海外8ヵ所 イギリス

DuPont Teijin Films

UK Limited (フィルム) 中国

帝人(中国)商品開発センター

(繊維・製品)

帝人化成複合塑料(上海) 有限公司

(樹脂)

国内8ヵ所 東京

東京研究センター

(ヘルスケア・新規ヘルスケア)

千葉 プラスチックス テクニカルセンター

(樹脂)

岐阜

帝人フィルムソリューション(株)

(フィルム)

岡山

帝人ナカシマメディカル(株)

(新規ヘルスケア)

広島 加工開発室

(樹脂)

山口

岩国研究センター

(ヘルスケア・新規ヘルスケア・

静岡

東邦テナックス(株)

(炭素繊維)

愛媛

技術開発センターなど

ドイツ

Toho Tenax Europe GmbH (炭素繊維)

オランダ

Teijin Aramid B.V.

(アラミド繊維)

アメリカ

Continental Structural Plastics Holdings Corporation

(複合成形材料)

NanoGram Corporation

(新規マテリアル)

フランス

Continental Structural Plastics Holdings Corporation

(複合成形材料)

IT事業

T R & D

中長期戦略

「 ICTの進化を通じて社会のイノベーションに貢献し、

プレゼンスを高めていきます」

電子コミック事業、ヘルスケア関連事業の成長加速

スマートフォンやタブレット端末などの急速な普及を受け、 個人向けネットサービス市場の拡大はもちろん、法人向けIT サービスにおいても、端末を活用したサービス提供へと ニーズが変化しています。このような中、私たちは電子コ ミック事業とヘルスケア関連事業を重点事業と位置付け、 競争力の強化と業容の拡大に取り組みます。

ITサービス分野では、ヘルスケア関連において既存の医 療機関や製薬企業向けサービスの機能強化や品質向上、競 争力強化に取り組むとともに、「地域包括ケア」の発展に資す

るネットワーク構築の推進と、IoTを活用した医療・介護現場 の効率化を実現する新サービスの創出により、「地域包括ケ ア」および介護領域での事業展開を進めます。

ネットビジネス分野では、「めちゃコミック」において、全国 主要都市圏でのテレビCMを実施し、さらなる浸透を図ると ともに、AI技術を活用した品質向上やセキュリティ強化、縦 スクロール読みへの対応や先行独占配信・コンテンツの充実 などによるユーザー満足度の向上により、トップシェア確立 を目指します。

技術革新こそ、企業の持続的成長に向けた核となるものです。また革新技術をベースとした、市場や顧客への新たな価値の提供 を通じて、人々の暮らしを豊かにし、社会の発展に貢献することが、すなわち帝人グループの掲げる「Quality of Lifeの向上」を実現 することにほかなりません。このような認識のもと、基礎研究を含むグループ全体の研究開発戦略を策定し、技術開発力の向上と 新たな価値の創出によるソリューションの提供を図っていきます。

帝人グループでは、「社員の多様性を活かし、社会が必要と する新たな価値を創造し続け、未来の社会を支える会社にな る」という長期ビジョンを掲げ、10年後の目指す姿を実現する ための研究開発をグローバルな視野で推進しています。

長期ビジョンの実現に向け、必要な基盤技術を強化・活用す るとともに、「環境価値」「安心・安全・防災」「少子高齢化・健康 志向」を重点領域として、技術や機能の融合・複合によりイノ

ベーションを実現する「発展戦略」と、既存事業の中で収益最 大化を図る「成長戦略」の推進のため、研究開発を着実に進め ていきます。

組織に関しては、素材関連事業をマテリアル事業として統 合し事業融合を図るとともに、新事業推進をマテリアル事業と ヘルスケア事業に分割・吸収することで事業連携を深めていき ます。

研究開発戦略

研究開発拠点

研究開発の拠点はグローバルに拡がっています。国内 8ヵ所、海外8ヵ所のグローバル研究開発ネットワークに おいて、基礎研究を含めたグループ全体の研究開発戦 略に基づく研究開発活動を推進しています。

■ プレゼンスと事業機会

インフォコム(株)を中核として、医療業界のノウハウや開発 技術に強みを持つITサービス(BtoB)では、企業・医療・公共機 関向けに付加価値の高いサービスを提供しています。携帯電 話向けビジネス黎明期から培ったノウハウと実績を強みとする ネットビジネス(BtoC)では、一般消費者向けに電子コミック 配信サービスなどを提供しています。電子書籍市場において は、電子コミック配信サービス「めちゃコミック」が国内最大級 の電子コミックストアに成長しています。

■ 16年度の実績

電子コミック配信サービス

「めちゃコミック」の販売が伸長

ITサービス分野では、ヘルスケア事業において放射線情報 システム「iRad」などの医療情報システムの販売を強化すると ともに、介護領域への展開を図りIoTを用いた見守りサービス や介護記録システムの提供を開始しました。

ネットビジネス分野においては、「め ちゃコミック」の売上が順調に拡大する など堅調に推移しました。

スマートフォン・携帯電話向け 電子コミック「めちゃコミック」

会員数

100万人突破

ヘルスケア事業で を用いた介護領域などでの

IoT

新サービスを創出

竹原 教博 

IT事業 グループ長

(7)

2016年度の国内特許出願件数

■ 高機能繊維・複合材料 120

■ 電子材料・化成品 55

■ ヘルスケア 32

■ 新事業ほか 91

合計 298

グローバル出願比率 (%)

10 20 30

0

’12 ’13 ’14 ’15 ’16(年度)

事業戦略、技術戦略、知財戦略の三位一体運営を推進するた め、知財活動の戦略視点での遂行を強化しています。また、グ ローバル化に対応したグローバル出願率向上を引き続き推進して いくとともに、成長戦略・発展戦略の実行による事業ポートフォリ

オ変革に即した知財ポートフォリオ構築および知財リソースの適 正化を図っています。さらに特許や商標などの保護や活用だけで なく、ノウハウや営業秘密の保護については、全社での取り組み を強化しています。

売上高の約5%を研究開発へ継続して投入するという方針の もと、重点分野に特化した効率的な資源投入を行っていきます。

2016年度の研究開発費は354億円(前年度比21億円増) となりました。

研究開発への資源配分としては、複合成形材料や電池部 材、新規ヘルスケアといった発展戦略関連に約25%、創薬開 発フェーズ進捗、マテリアル基盤技術強化といった成長戦略 関連に約75%の割合で投入します。

研究開発費投資

複合材料・ヘルスケア関連分野を中心とした大学教授や研究者 が集まるフォーラムの開催、学界・学術研究機関などの有識者に よる技術アドバイザリー会議の開催、国内外の最先端研究機関へ の若手研究員派遣などを積極的に推進しています。

2010年度のノーベル化学賞を受賞され、帝人グループの名誉 フェローに就任いただいている根岸英一 米国パデュー大学特別 教授には、国内研究員のコンサルテーションを継続してお願いし ています。

技術系人財の育成

新事業創出に向けた研究開発を促進するために、社内外との連 携を強化する「オープンイノベーション戦略」を掲げています。こ れは、研究開発を帝人グループ内のみで完結させるのではなく、 産官学の幅広い分野でネットワークを形成し、共同研究や情報交

換・人財交流を進めることで、顧客の求めるソリューションを高い 次元でタイムリーに提供していくものです。

オープンイノベーション

知的財産戦略

2017年度 配分イメージ

■ 成長戦略関連 約75%

■ 発展戦略関連 約25%

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